![]() 一般社団法人栃木県手をつなぐ育成会 会長 小島 幸子 |
| いつも栃木県手をつなぐ育成会を応援していただき、ありがとうございます。 今回は、6月に開催した全体研修会でのごあいさつをご紹介します。 この全体研修会は、毎年、共同募金からの補助金をいただき開催しています。講師の又村様には、早朝より宇都宮までお越しいただき、本当にありがとうございます。 成年後見制度は現在、大きな見直しの時期を迎えており、この6月には改正案が成立しました。本日の講演では、その内容について詳しく学ばせていただきます。 また、今日は育成会の会員だけでなく、県内各地の特別支援学校から保護者の皆さまも多数お越しくださっています。そのため、成年後見制度の「基本のき」についても触れていただきます。 私たち育成会では、10年ほど前には、成年後見制度に課題を感じながらも、制度の推進に力を入れていました。特に、法人後見の広がりに大きな期待を寄せていました。 その頃の記録を振り返ると、「いつ始めますか?」「今でしょ」という言葉が残っています。 しかし、その後、私たちは成年後見制度そのものが抱える課題に向き合うことになりました。 成年後見制度の見直しにあたり、全国手をつなぐ育成会連合会の権利擁護センターでは、全国規模のアンケート調査を実施しました。 企画したのも親、アンケートを回収したのも親、集計や入力、考察を行ったのも親たちです。業者に依頼した調査ではありません。障害のある家族と日々暮らしている私たち家族自身が、仲間の声を集めた調査です。 グーグルフォームが利用できるようになり、便利になった部分もありましたが、「やっぱり紙でないと」という方のためには、紙のアンケートや封筒、切手も用意し、全国55の正会員に協力をお願いしました。 自由記述には、先輩方がこれまで経験してきたご苦労や、わが子の将来を思う熱い思いが、たくさん書かれていました。 アンケートの結果については、本日の又村様のご講演の中で詳しくご説明いただきます。 今回の改正では、必要な場面で成年後見制度を利用し、必要がなくなれば終了できる制度へと変わろうとしています。 しかし、私はまだ、「後見終了、どんとこい」と言える状況にはなっていないと感じています。 ある大学の先生がお話しされていた、「この改正によって、荒野に放り出されることにならないか」という当事者や家族の言葉が、今も心に残っています。 成年後見が終了した後も、本人が安心して地域で暮らし続けられる仕組みが必要です。これは民法だけの課題ではありません。社会福祉や地域づくりの課題でもあります。 そして、住んでいる地域によって受けられる支援に大きな差が生じることがあってはならないと思います。 「ケアの社会化」が進んでいると言われますが、障害のある家族や介護が必要な家族がいる場合、契約や手続きなど、多くのことを今も家族が担っています。 身寄りのない方もいます。身寄りがあっても頼れない方、頼りたくない方もいます。 そうした課題を、市場で解決するのか、制度で解決するのか、地域の助け合いで解決するのか。私たちは、これから考えていかなければなりません。 では、地域の権利擁護支援ネットワークを、どのようにつくっていけばよいのでしょうか。 私はまず、自分の住む市の成年後見センターに、我が家のことを相談に行きました。相談を重ねる中で、その地域にある強みや課題も少しずつ見えてきました。 「権利擁護支援ネットワークをつくる」と言われますが、まずは自分たちが暮らしている地域の実情を知ることから始めることも、大切なのではないかと思っています。 そして、特別支援学校の保護者の皆さまには、将来設計の第一歩として、20歳での障害基礎年金の申請についても、ぜひ今から意識していただきたいと思います。 年金の申請では、生まれてから現在までの成長の様子や、生活の中でどのような困難があるのかを振り返ることになります。そのためにも、将来に向けて、今から記録を残しておくことが大切です。 栃木県手をつなぐ育成会のホームページの「活動について」のページには、「サポートファイル」を掲載しています。 これは、生活部会の皆さんが苦労しながら作成したものです。全国の育成会の取り組みを参考に、良いところを取り入れて作りました。 お子さんの成長を記録するページもありますので、ぜひ今から記録を始め、将来の障害基礎年金の申請などに役立てていただければと思います。 また、サポートファイルには、「親なきあと」のことについても詳しく掲載しています。特別支援学校の保護者の皆さまだけでなく、地域の皆さまにも、ぜひ活用していただきたいと思います。 本日の研修が、成年後見制度について学ぶだけでなく、地域での権利擁護や、本人のこれからの暮らしについて考える機会となれば幸いです。 今後も栃木県手をつなぐ育成会では、障害のある本人と家族が、地域で安心して暮らし続けることができるよう、皆さまと一緒に考え、取り組んでまいります。 どうぞよろしくお願いいたします。 |
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